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今週の記事1本

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教皇、戦争は「狂気」
ウクライナの青年兵悼む
【バチカン4月3日CNS】

 教皇フランシスコは、迷彩色のカバーがかかっていて、よく読み込まれたポケット判の新約聖書と詩編に、小さな布袋に入ったロザリオを掲げて見せた。
 教皇は4月3日、バチカンで開いた一般謁見に参加した人々に、その聖書とロザリオは23歳のウクライナ軍兵士、オレクサンドルさんの物だったことを告げた。ロシアによる侵攻を受けている同国内のアウディーイウカで戦死した。「自分の命を差し出したのです」
 「オレクサンドルさんは新約聖書と詩編を読み、詩編130のここに下線を引いていました。『深い淵の底から、主よ、あなたを呼びます』」と教皇は説明する。
 教皇フランシスコはサンピエトロ広場に集まった数千人の旅行者や巡礼者に、こう呼びかける。「ここで少し、沈黙の時を持ちたいと思います。皆さん、この青年と、同じように戦争というこの狂気によって殺された他の多くの方々を思いましょう。戦争は絶えず破壊します。その人たちを思って祈りましょう」

戦争の終結に力を尽くす時

 教皇はさらに、パレスチナ・ガザで4月1日、イスラエル軍の攻撃によって殺害された食料支援団体「ワールド・セントラル・キッチン」のメンバー7人について「深い心痛」を表した。「その人たちは人道支援の配給のために働いていたのです」
 同支援団体によると、殺害された7人は、英国人3人とオーストラリア人1人、ポーランド人1人、米国とカナダの二重国籍者1人、パレスチナ人1人。
 「イスラエル国防軍と支援活動についての連絡がついていたにもかかわらず、車両は(ガザ中部)デールバラハの倉庫を出たところで攻撃された。海路でガザに輸送された人道支援の食料100トン超を倉庫に下ろした後だった」と同支援団体は声明で明らかにした。
 イスラエルのベニヤミン・ネタニヤフ首相は2日の声明で、「非武装の人々を意図せず攻撃する悲劇があった」と述べ、原因の調査を約束した。
 一般謁見の最後に世界に向けて話した教皇フランシスコは、「私はもう一度、ガザでの即時停戦を強く求めます」と訴えた。
 「あらためて訴えます。消耗しきって苦しんでいる一般市民の方々に人道支援が届くようにしてください。そして(イスラム組織ハマスによって)人質とされている方々がすぐに解放されるようにしてください」
 「現地での紛争拡大を試みる無責任な動きは避けられねばなりません」と教皇は続け、「戦闘をすぐに終わらせるために力を尽くさなければいけません」と強調した。
 「私たちは共に祈り、飽くことなく努力を続けましょう。武器のごう音がやみ、再び平和が行き渡るためです」

 


4月3日の一般謁見で、戦死したウクライナ軍兵士の
迷彩色のカバーのかかった聖書を見せる教皇(CNS)

 


 

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