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今週の記事1本

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2017年平和行事
ヒロシマに学び、祈る
“地球という家”の仲間として


 戦後72年を迎えた広島教区(白浜満司教)は8月5日・6日と9日、広島市の世界平和記念聖堂(カテドラル幟町教会)などで2017平和行事を行った。教皇フランシスコの回勅『ラウダート・シ』を受け、「『ラウダート・シ』(私の主よ、あなたはたたえられますように)〜ともに暮らす地球で〜」をテーマにした今年は、国内外各地から教会関係者らを迎え、“地球という家に共に暮らしている仲間”として被爆地ヒロシマの経験に学び、祈った。

 初日午後のシンポジウムでは、パネリストとして韓国カトリック生態環境委員会総務のイ・ジェドン神父(ソウル教区環境司牧委員会委員長)と、松浦悟郎司教(名古屋教区)、上智大学教授の光延一郎神父(イエズス会)の3人が今年の開催テーマについて話した。
  松浦司教は、環境問題を自らの痛みとして捉えて行動すべきであり、私たち自身の霊的回心が求められていると指摘した。
  イ神父は、ソウル教区のエコロジー使徒職団体「天、地、水、友」の活動など、韓国の教会の取り組みを紹介。
  光延神父は、原発の廃止を呼び掛ける日本の司教団メッセージに触れ、韓国と日本が連帯して課題に取り組むことが大切だと強調した。

 視野を広げる

 分科会では、広島の被爆者証言を聞くものなど、五つのプログラムが行われた。
  「原発と人権  福島事故があたえた課題」では、「避難の協同センター」事務局長の瀬戸大作さんが、支援を打ち切られた原発事故による避難者の実態を説明した。
  続いて、韓国カンオォン大学のソン・ウォンギ教授が脱核運動の成功例を発表。当初、原発建設計画が進む韓国東沿岸部のサムチョク(三陟)市では建設推進派の市長の下で反対運動が進まなかったが、福島の事故後に原発への危機感が強まったという。ソンさんらは“脱核”を訴えて国内を徒歩巡礼し、それが脱原発を公約に掲げるムン・ジェイン大統領の選出の大きな力になったことが報告された。
  青年によるプログラムには中高生から年配の人まで幅広い世代が参加。白浜司教から『ラウダート・シ』について説明を受けた後、教皇が呼び掛けるような生活ができない理由などについて分かち合い、「(自分には)無い物に憧れる傾向がある」「対話し、視野を広げることで現状が変わる」などの意見が出ていた。

 対話、ゆるし、連帯

 夕刻からは、日本聖公会と合同で(1)平和公園の原爆供養塔前での祈りの集い(2)平和行進(3)平和祈願ミサ―を行った。
  ミサは、那覇教区の押川壽夫司教が主司式、教皇庁諸宗教対話評議会から次官のミゲル・アンヘル・アユソ・ギクソット司教ら2人とベトナム、ケニアの司教、日本の司教・司祭団が共同司式し、800人が参加した。
  押川司教は説教で、戦後も続く米軍基地の負担などで平和を奪われてきた沖縄の歴史や信者らの平和への試みに触れ、今も続く沖縄差別は人々の無関心によって広まっていると指摘。平和の発信地であるヒロシマ、ナガサキ、オキナワの訴えが世界に響きわたるよう願うとともに、「対話、ゆるし、連帯」による真の平和のために努力できるのは私たち人間だと励ました。

 神の力に協力する

 6日は、原爆投下時刻の8時15分に合わせて黙祷した後、白浜司教の主司式で「原爆・すべての戦争犠牲者追悼ミサ」をささげ、約600人が参加。
  ミサ説教を担当した白浜司教は、真の平和を実現するために、生活の中で神の力を信じ、その神の力に私たちが協力し、行動していくことを大切にしたいと語った。
  神戸から来たフィリピン出身のヘレン・モニカ・カヒログさん(53)は、「戦争や原爆のことは親からも聞いてきましたし、広島の平和行事に参加できてうれしい。平和は一人一人の心の中から始まるのだと感じます」と話した。
  ミサ後は、耐震工事が進む世界平和記念聖堂内の見学会や、ピースウオーク、広島で被爆者の救済に献身したイエズス会元総長の故ペドロ・アルペ神父についての講演などが行われた。

 

 

5日に行われたシンポジウム。左から松浦司教、イ神父、光延神父




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