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今週の記事1本

こちらでは、カトリック新聞に掲載されている記事を、毎号につき1本お読みいただけます。



活字追うのが難しい人に
人生を豊かにする良書を
ロゴス点字図書館 
新館長 西田 友和さん

 「点字図書」や、視覚障害などで活字を追うことが難しい人が利用する「CD図書」の製作・貸し出し等、さまざまな事業を行っている「ロゴス点字図書館」(東京都江東区・理事長=岡田武夫名誉大司教/東京教区)は、今年で創立65周年。1月に館長に就任した西田友和さん(40/東京・多摩教会)は、人生を考え、豊かにするために必要な良書をそろえる専門図書館として、「100年続く組織にしたい」と話す。

 西田さんは13歳の時に病で全盲になって以来、心に苦しみを抱えていたが、2015年に十数年勤めた企業からロゴス点字図書館に転職。自分への気付きや救いを示す数々のことばに触れ、翌年受洗した。
  「当館が目指すのは“人生を考える図書館”です。自ら考え人生を豊かにしていくために、宗教関連を中心とする“本当に必要な情報・ことば(ロゴス)”を集めた専門図書館として、小さいながらも支持していただいています。カトリックが母体なので、たくさんのボランティアの方の支援を得られています」
  同館は1953年に「カトリック点字図書館」として東京・洗足教会内に創立され、視覚障害のある信徒やハンセン病の失明者らのために公教要理等の点字図書を有志で制作。2度移転し、日本カトリック会館内の現在の場所へ。2001年に社会福祉法人「ぶどうの木」として都の認可を受け、現在の名称になった。
  事業内容は幅広い。
 (1)利用者へのサービス(点字・録音図書の制作・全国無料貸し出し/レファレンス・サービス〈資料の検索・提供等〉/対面朗読サービス/点字・録音のプライベート・サービス/中途失明者のための点字教室等)
  (2)点訳・音訳・デイジー(CD)編集ボランティアの育成・指導
  (3)広報・啓発活動(文化教室やチャリティ映画会の開催等)
  (4)点字製版・印刷(『聖書と典礼』〈点字版〉の製作等)
  (5)視覚障害者とその家族への相談事業

 点字の存在意義

 書籍なら1冊でも、点訳(活字を点字に訳す)したり、音読してテープにすると量がかさみ、点字の聖書などは新約・旧約で100冊近くになる。
  同館の蔵書は、点字図書約2400タイトル・8千冊、テープ図書約5千タイトル・2万8千巻、CD図書約3200タイトル・3200枚(2017年末現在)。
  昨年9月から2カ月余りの間に加わったのは、点字版の『自分にやさしくなるセラピー』(チェリー・ハートマン著)、テープ・CD版の『ともにささげるミサ』(オリエンス宗教研究所編)、『デリダ』(斎藤慶典著)等48タイトル・113点。他館からの図書の取り寄せ・貸し出しも行っている。
  利用者は高齢者が7割。高齢になって障害を持った人など点字を使わない視覚障害者が増え、CD図書などの音声サービスの利用が多数を占めるようになった。
  しかし西田さんは、点字が必要とされる領域もあると指摘する。(1)文章を主体的に読み、深く学ぶには“指で読む”ほうが効果的(2)洗濯機等の家電やジャム容器などに付けられた点字は、晴眼者(視覚に障害のない人)が視覚障害者の存在を意識する機会にもなる――からだ。
  ボランティアの高齢化も課題だ。多くの人に支えられてきた歴史や、生きづらさを抱える人に奉仕する図書館の取り組みを伝え、「共感してもらえる人を増やすことで利用者と支援者の裾野を広げたい。理念と共感、誠意と感謝を大切に、100年続く組織にしたい」と西田さんは言う。
  図書館の利用登録(無料)、館内ボランティア(点字本と活字本の読み合わせ、校正、発送作業など)、寄付等についての問い合わせは、ロゴス点字図書館(電話035632四四二八)へ。
ホームページ=http://www.logos-lib.or.jp/。

 

 





ロゴス点字図書館内に立つ西田さん。右側の書庫には、
教会の祈祷書から一般の小説までさまざまなジャンルの蔵書が並ぶ。
左側では、職員やボランティアが点訳(活字を点字に訳すこと)、音訳、デイジー(CD)編集などを行っている





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