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今週の記事1本

こちらでは、カトリック新聞に掲載されている記事を、毎号につき1本お読みいただけます。



来日に向け
教皇の教え子 司祭2人
日本のメディアに答える
上智大学 プレスセミナー (後半)
 

 教皇来日を約1週間後に控えて、マスコミ各社も取材準備を進めている。そうした中、学校法人上智学院(佐久間勤理事長)は10月28日、マスコミ対象のミニ講義と質疑応答(以下・プレスセミナー)を東京・上智大学で開催した。教皇フランシスコから直接、薫陶を受けた二人のイエズス会司祭が講師として、記者たちの質問に答えていった。2回に分けた後半を掲載する。

 ―ごく最近の教皇の様子が分かるエピソードは?

レンゾ神父 教皇はお忙しいはずなのに、不思議なことに、出会った人に「私のためにいくらでも時間がある」というような感覚を与えてくれる人です。
アイダル神父 バチカンでは、教皇の部屋の前に、スイスガード(護衛)が一晩中立っていましたが、翌朝、それを知った教皇が、「ずっと夜の間、立っていたのですか」と質問。スイスガードが「はい。それはわれわれのルールです」と答えると、教皇は「それは(体に)いけない」と言って、いすとサンドイッチを持ってきて、スイスガードに渡しました。スイスガードは困ってしまったというエピソードがあります。

―教皇が広島に関心を持ったきっかけは?

アイダル神父 アルゼンチンは、第2次世界大戦に加わりませんでしたが、日独伊を応援していました。そのため、戦後、アルゼンチンから日本にたくさんの救援物資が送られたのです。当時、9歳だった教皇はそのことを知っていました。そして後に、広島で被爆したイエズス会元総長、ペドロ・アルぺ神父の手記を読んだことで、広島の原爆を深く知ることになりました。

―バチカン側は日本のどこに目を向けようとしているのか?

レンゾ神父 日本で自殺が多く、ひきこもりが目立つこと、また難民問題として、難民の受け入れ枠(難民認定)が小さいことは、日本に来て見えてくる現実だと思います。
アイダル神父 教皇にとっての日本のイメージは、二つあります。(1)素晴らしい文化を持っていることと、(2)お金に支配されている文化であること。競争社会や、頑張らないと評価されない社会は、全部お金が生み出した価値観です。お金で人の価値を判断したり、人を非難したりするような「お金に支配されている文化」。日本社会について一番心配しているのはそこだと思います。

―教皇から言われて、心に染みた言葉について。

レンゾ神父 神学生時代、貧しい地域に行くように指導されました。日曜の朝、一軒一軒の家を訪ねて、「教会に行きましょう」と子どもを誘うのです。恥ずかしかったし、子どもがお母さんに「寝ているから帰ってもらって」と言っている声も聞こえてきました。教皇から言われて大切にしていたのは、「子どもたちが教会に来るのを待つのではなく、迎えに行きなさい」という言葉です。「待つのではなく、迎えに行く」という態度。また「変わるのを待つのではなく、変えていく」という姿勢は、今も大切にしています。
アイダル神父 「月曜から金曜は神学院で先生から学び、土曜と日曜は貧しい地域に行って、貧しい人々から学びなさい。彼らが先生です」という教皇の言葉が心に残っています。「貧しい人々」や“小さい人々”を通して、何のために、誰のために勉強しているのかを学びなさい。その人たちの状況を変えるために、何ができるのか? それを学べば、どこに行っても働けます、と。“小さい人々”から離れないことの大切さも教えられました。(終わり)
 


アイダル神父        レンゾ神父

 

 

 

 

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